季節特集で今回取り上げる冬物衣類の2つめはニットです。
 素材、機能性、デザイン、ハイゲージ、ローゲージ、手編み、シームレス、それぞれの特徴を生かしたニットを買って、どういったシチュエーションで着こなそうか考えるのもお買い物の一つの楽しみですね。
 以下の名品たちは買った後も生活をより豊かにしてくれるでしょう。


目 次
1 JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)のファインゲージニット
2 INVERALLAN(インバーアラン)のハンドメイドセーター
3 LETROYES(ルトロワ)のシームレスニット

 JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)のファインゲージニット
 イギリスは、北緯49度~61度に在り、暖流と偏西風の影響で緯度の割には温かく、冬でも氷点下になることは少ないものの、春、秋、冬の季節は、日本に比べ寒い日が続きます。肌寒さを凌ぐニットのセーターやジャケットは生活に欠かすことのできない必需品なのです。イギリスのニットメーカージョンスメドレー社は、1760年代に世界に先駆けて始まったイギリスの産業革命の最中、1784年、イングランドのダービーシャー州マットロック、リーミルズで世界最古の製造工場として誕生しました。以降、イギリスの風土に育まれながら、これまでの230年間、最新の機械を導入しながらニット製造のクラフトマンシップを醸成し続けてきました。現在もなおイギリス王室から愛されるニットを作るジョンスメドレー社。お薦めはメリノウールで作られるファイン(30)ゲージニットのセーターです。1インチ(2.54cm)間に30ゲージ(編み機の針数)のハイゲージを編む技術は着心地の良さも暖かさも叶えてくれます。
 JOHN SMEDLEY(公式オンラインショップ)

 INVERALLAN(インバーアラン)のハンドメイドセーター
 妖精が住んでいたと言われるアイルランドのアラン諸島。その島々は妖精の島とは裏腹に過酷な自然と力強く向き合って生きる人たちが住んでいました。例えば、農業は、土が風で飛ばされないように畑を石垣で囲み、更に岩盤を砕いて土をつくることから始めました。また、男たちは、強風と寒さという過酷な条件の海で漁を行いました。このアラン諸島の島で女たちによって編まれ、男たちが寒さと波から身をまもるために着用したハンドメイドのセーターが「アランセーター」です。その後、このニットの文化と技術は、1975年、スコットランドで創業されたハンドニットメーカー、インバーアランに引き継がれます。現在、ハンドメイドの工程はインドで行われていますが、熟練のニッターが1枚90時間以上をかけて編み上げるというハンドメイドニットの技術は今でも継承され、完成したニットは唯一無二の極上の逸品となっています。
 INVERALLAN(取扱店)

 LETROYES(ルトロワ)のシームレスニット
 シャンパンで良く知られるフランスのシャンパーニュ地方。その地で2008年に誕生したのがニット&カットソーブランドルトロワです。しかし、そのルトロワの源流をたどれば1800年代後半のニットの工場にまで遡ります。その工場で培われた技術力がフレンチのどこか懐かしいデザインと相まって、着心地の良いニットが作り出されるのです。MAILLE/マイユと呼ばれる昔ながらの丸胴編み機で編まれるシームレスなニットは、体が包み込まれるような柔らかな肌触りと抜群の伸縮性が魅力で、 5つの定番モデル、HENRI/アンリ、CLAUDE/クロード、RENE/ルネ、LOUIS/ルイ、LAURENT/ローランは、ブランドを代表するベストセラーになっています。
 LETROYES(オフィシャルオンラインショップ)